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設立趣意書

 21世紀はライフサイエンス(生命科学)の時代と言われています。特に医学・医療の進歩は私ども人類の最大の関心事であります。わが国はこれまで世界最高の平均寿命や高い保健医療水準を達成してきましたが、今や急速な少子高齢化、低迷する経済状況などの社会環境の変化には著しいものがあります。この急速な変化に対応し、かつ先端的な医学・医療の進展を支える研究及び人材の育成は、ますます重要かつ緊急の課題となっています。
 一方、新潟県の医師数は、人口10万人当たりの全国平均201.5人を約30人下回り、都道府県別順位では第40位となっており、全国的にみても本県の医師不足は極めて深刻な問題です。
 このような背景の中で、わが国の学術と人材養成に携わってきた教育機関及び医療関係機関には、明日を担う高度な能力を有する医療人、先端的医療を目指す医師・研究者の更なる育成が求められています。
 これら医師不足の問題、医師等医療関係者の育成の問題等を解決するためには、
  1. 必修化される卒後臨床研修において、多くの医学部卒業生が、研修の場を新潟県内に求めるような魅力ある研修システム・プログラムの構築
  2. 医療機関、大学、医師会及び県市町村が情報を共有化し、地域医療支援、人事を可能とする統合システムの設置
  3. 特徴ある教育及び研究の促進と優れた医学・医療を実践し得る人材を育成するための環境整備
が必要であり、これらの実現のために官公民が一体となって新しいインフラストラクチャーを整備することが目下の急務と言えます。
 本財団は、医学・医療の教育研究環境整備、先端的医療技術の向上の支援等により、もって良質な医療を安定的に提供することを目的として設立されるものであり、産官学連携を含めた事業活動の展開と、環日本海を中心とした医学・医療に関する国際交流への貢献に努めたい。
 公益財団法人「新潟医学振興会」設立にあたり、医学・医療界をはじめ、各界各層のご理解とご支援を心よりお願い申し上げる次第であります。